ブログ|早稲田墓陵

魂の故郷(いのちのふるさと)から一言

住職、副住職をはじめ龍善寺のスタッフが、日々の歩みの中で気づいたこと、
感じたことを綴ってまいります。一月1回の更新予定です。
これもご縁と、ちょっと息抜きにでも、お立ち寄りいただければ有難いことと思います。

食品ロス

今年は、例年ほど厳しい寒さではないこともあって、一年中で一番寒いといわれているこの2月でも、多くの方が、早稲田墓陵(龍善寺境内墓地、早稲田納骨堂、早稲田永代供養墓)へお参りに来られています。

 

2月の節分といえば、ひと昔前まで「豆まき」だったはずですが、最近では、私が子供の頃にはなかったはずの「恵方巻」というものが関東でも意識されるようになったようです。
その恵方巻の始まりは諸説あるようですが、元は、大阪の商人が商売繫盛を願い、巻き寿司を食べたことや、戦後の海苔やお寿司の消費低迷の打開策として各協会が「幸運巻寿司」や「縁起巻き」として発売するも定着せず、最終的には大手コンビニ各社が、ご利益的な話を強調しながら「恵方巻」として販売促進したことで、全国に広まったとも言われていますが、ある種、バレンタインデーと同じく、売り手側である企業の策略に我々消費者側が乗っかってしまったというのが本当のところなのかもしれませんね。

 

さて、その恵方巻を毎年食べている人にとって、本当に願いが叶っているのかどうかという話は別としまして、ここ数年、スーパーやコンビニで大量に売れ残る恵方巻がそのまま食品廃棄されていることが、問題視されるようになりました。

 

今現在、日本の食糧自給率は約40%と言われています。
残りの60%の食糧を日本は世界中から集めているわけです。
ただ、世界中から集めた60%の食糧のうち、約半分の30%は食べ残したり、賞味期限が切れたといって捨ててしまっているのもまた事実であって、その捨てられている量が、なんと年間で約600万t(もちろん、その中には「恵方巻」も含まれています。)
全国での1年間のお米の収穫量が約800万tといわれてますから、相当な量が破棄されているわけです。

 

国連では、私たちに「責任ある生産と消費」を訴えています。
今の日本は節分の恵方巻だけでなく、クリスマス時期のチキンやケーキだったりと、世の中の人が騒ぎ立ているあらゆるイベントの背景に大量の食品廃棄問題が潜んでいるはずです。
もちろん、国や企業としましても、食品のロスを減らすため、色々と努力はしているようですが、ただ、もっとも見直すべき姿は、食品廃棄されている事実に「無自覚、無関心」な私たち、その私たちの無責任な消費の仕方に大きな問題があるのかもしれません。
恵方巻にしても、クリスマス時期のチキンやケーキにしても、どうしても買いたいというのであれば、少し極端かもしれませんが、購入される方が、全てを事前予約という形式を取れば、企業側も必要以上に作ることもなく、食品ロスを少しでも削減できるのかもしれないという思いに至った次第です。

 

南無阿弥陀仏

2:住職 小林太一

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