ブログ|早稲田墓陵

魂の故郷(いのちのふるさと)から一言

住職、副住職をはじめ龍善寺のスタッフが、日々の歩みの中で気づいたこと、
感じたことを綴ってまいります。一月1回の更新予定です。
これもご縁と、ちょっと息抜きにでも、お立ち寄りいただければ有難いことと思います。

他人事としてしまう私達

衆議院総選挙が終わり、政権は続投することに決まりました。株価も上昇して市場も安堵した様子です。

こんな政治家をと非難する事は簡単ですが、その人を選んだのは私達です。どこかで政治は他人事にしてしまいがちですが、結果責任は私たちが負うことになります。

重要な未来の事を決めるのにも関わらず、選挙権のある人口の約半数しか投票していない現実を考えなくてはいけないように思えました。

 

さて、東京でも秋が深まって参りました。早稲田納骨堂、早稲田永代供養墓がある浄土真宗(真宗大谷派 本山・京都東本願寺)龍善寺も境内のドウダンツツジが紅葉しております。

読書の秋と言われる通り、我が子の小学校でも読書週間となっております。課題図書一覧の中に「ただいま!マラング村」という本があり、子供に勧められ私も拝読いたしました。
アフリカ東部にあるタンザニアという国に住む4歳の主人公ツソという男の子は、父が病気で逝去し、母が子供を捨てて出て行った為、叔母の家に居候することに。肩身が狭い生活から脱する為9歳の兄と家を出て、ストリートチルドレン4年、寄宿舎生活5年を送り、村に帰るストーリーです。
そのストーリーの中で、4歳の主人公は水汲みの仕事が日課となっています。インフラが進んでいない地域は、安全な飲み水にアプローチする為、アフリカでは平均して7キロ程離れた井戸や川から汲んでくる仕事が子供達にも課せられているそうです。
挿絵にあったように、私の子供達は5ℓの水をバケツ入れ、頭に載せて運ぼうとしますが、10歩と歩けない現実に驚いていました。

 

世界中に児童労働者数は1億7000万人(2013年ILO調べ)おり、児童の9人に1人は労働を強いられているそうです。学校にも行けず、労働力として見られています。ツソのように食べるために盗みを行い売られてしまう子もいる現状です。明日の水や食料に困っている人口は大人も含めると8億4千万人もいるとも言われております。
そのように困っている人が多くいながら、日本では企業効率等の為に食料を廃棄している状況が続いております。
食料はいのちです。経済効率の為に無駄にいのちを殺め、そのいのちを捨てている私達。

 

最近はフードドライブも盛んではありますが、そもそも食べきれない量の食糧を生産、輸入する必要があるのでしょうか。企業を含めた社会の中でこの問題に対応しなければならないと感じております。
このような現実があることは知識として理解していても、同じ地球に存在していても他の国、他の県、他の地域の事は、どこまでも他人事としてしまう私達です。震災や洪水なども他人事として向き合わない私でもあります。
そんな私にご本尊阿弥陀如来は「気づけよ、目覚めよ、身の程知れよ」との呼び声を届けて下さいます。宗祖親鸞聖人は「御同朋御同行」として上下関係ではなく同じ目線で沢山の人と寄り添って来られました。

完全に寄り添う事は不可能ではありますが、想いに触れ悩む力を付けることが私達に必要だと思えてきます。

 

来月11月3日、4日は龍善寺にて浄土真宗の最大行事である報恩講が行われます。宗祖が歩まれてきた道を顧みながら、わが身も顧みる法要だと思います。

政治や社会、いのち、仏法に向き合わない自分を顧みる機会をお作り頂きたいと思います。

これからも、真宗大谷派 龍善寺、魂の故郷早稲田墓陵 早稲田納骨堂、早稲田永代供養墓どうぞお参りにお越しください。お待ちしております。

 

 

合掌

 

3:副住職 石井祐司

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