ブログ|早稲田墓陵

魂の故郷(いのちのふるさと)から一言

住職、副住職をはじめ龍善寺のスタッフが、日々の歩みの中で気づいたこと、
感じたことを綴ってまいります。一月1回の更新予定です。
これもご縁と、ちょっと息抜きにでも、お立ち寄りいただければ有難いことと思います。

七高僧 善導大師

秋のお彼岸も過ぎ、次第に秋めいてきた今日この頃です。
ご門徒の皆様には、いつも早稲田墓陵(龍善寺境内墓地、早稲田納骨堂、早稲田永代供養墓)にお参り頂き有り難く存じます。

 

 

さて、私はこの春から再びここ龍善寺でお手伝いさせて頂いております。 週末にはご法要をお勤めすることが多いのですが、ご法要ではいつも正信偈をお称えしております。
正信偈はご門徒さまにとっては最も馴染みあるお勤めといえましょう。その正信偈では、真ん中あたりで「善導独明仏性意」と高らかに称えるところがあります。
ここはいったい何だろう?と長い間ずっと思っておりましたが、これまで深く知ることもなく過ごして参りました。この一句を訳すと「善導という中国の僧が、ただ独り仏さまのお意(こころ)を明らかにされました。」という意味になります。何だかとても偉大な方だと想像がつきます。

 

 

ところで私は故あって、ここしばらく善導についての絵本を作っております。その必要性からいろいろと調べるようになり、次第にその人物像が明らかになってきました。

 

 

先ず善導は中国の僧で、浄土真宗の七高僧のおひとりであり、後の法然や親鸞に多大な影響を与えた方です。唐の時代の長安という大都市のお寺で活動し、「阿弥陀経」を何万も書写し人々に配ったといいます。ちなみに「阿弥陀経」はいつもご法要でお唱えするお経で、ご門徒さまにも馴染みあるお経といえます。
それから「二河白道」という説話を、大きな絵を掲げてお話しをされたそうです。これは逆巻く渦の河(貪りや執着のこころ)と燃えさかる炎の河(怒りや憎しみ)に挟まれた白い道を、此岸(現世)から彼岸(浄土)へ渡る様子を描いた仏教絵画として有名なものです。

 

 

善導は大きな絵をもとにお話しをする「絵解き」に近いことをされていたといえましょう。またご自身も「変相図」という浄土の光景の絵を多く描かれています。善導はこのように絵による視覚効果と語りによって、その教えを庶民に分かりやすく説く才能に恵まれていたと思われます。師の活躍により浄土経はその後大きく広まり、日本でも浄土宗・浄土真宗の礎となるのでした。

 

 

さて、私はこれまで絵本をいくつか作ってきました。『仏説阿弥陀経』、『ブッダ最後の旅』。そして今回の『善導大師』は3作目となります。
自ら絵本を作り朗読すること、それは現代の「絵解き」だと思っております。より多くの門徒さまにお経の世界や仏さまの世界に少しでも興味を持って頂けたらと思い作り続けています。到底善導の足元にも及びませんが、これからも自分なりに地道に続けて参りたいと思っております。

 

 

 

合 掌

4:副住職 佐々木裕

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