ブログ|早稲田墓陵

魂の故郷(いのちのふるさと)から一言

住職、副住職をはじめ龍善寺のスタッフが、日々の歩みの中で気づいたこと、
感じたことを綴ってまいります。一月1回の更新予定です。
これもご縁と、ちょっと息抜きにでも、お立ち寄りいただければ有難いことと思います。

六曜          浄土真宗(真宗大谷派 本山京都東本願寺)早稲田納骨堂発

浄土真宗(真宗大谷派 本山京都東本願寺)、早稲田納骨堂の報恩講が11月3日、4日に勤修されました。報恩講は、浄土真宗の1年に1度の最も大切な行事です。4日の夜、片付けも終わった頃、住職が坊守(「住職の妻」の意)と共に、「お疲れ様でした。報恩講が無事終わりました。1年が終わったような気持ちだね」と大役を終えほっとしている様子が印象的でした。

 

先日、数十年ぶりに会う知人が上京し、突然連絡をくれました。あまり、時間がなかったので他の場所も思い浮かばず、東京見物を兼ねて、龍善寺からさほど遠くない靖国神社で待ち合わせすることにしました。
靖国神社は、いろいろな意味でいつも話題になる場所です。私が靖国神社から感じるものは、何といってもあの巨大な鳥居から迫りくる、何か、です。初めて靖国神社の鳥居を見た時、なぜか私は特撮アニメ『大魔神』を思い出しました。知人にそう言うと、「大魔神に悪い人間が踏み殺されるのが怖かった」と幼い頃の記憶を話してくれました。話は横道に逸れますが、私が小さい頃はわけもなく怖いものがあったものです。テレビ番組『ウルトラQ』のオープニングとか、ラーメン屋台のチャルメラの音とか・・・もう高齢者の域の人間しかわからない話ですね。

 

その日は、御神殿に向かい、建物の美しさや、大きなしめ縄から日本文化を感じつつ、テレビニュースで流れる政府要人の参拝の場である本殿で一礼。その時知人に「神だのみってしますか?」と聞くと、「(神だのみは)しない」との返事。靖国神社にさほど興味を示さなかった様子から、その答えは想像できました。「でも、六曜はなんとなく意識します」と。六曜って?そうそう、大安とか、友引とかのことかあと、私にはそれくらいしか思いつかなかったのですが、なんやかんやで多くの方が気にしている日本の風習です。その知人は若い頃に脱サラし、起業のために花の栽培を始め、独自の方法で事業に成功し、研究にまで結びつけている方です。種を撒くような時に、六曜を何となく意識するのだそうです。

 

「そうなんですね」と言う私。神だのみはせずとも、仏教の教えではありませんが、吉凶禍福を問題にする六曜を気にする気持ちは、日本人の心にある深い意識なのだろうと感じました。

 

六曜を含め、吉凶禍福に囚われるのは、浄土真宗では迷いの心だと教えられてきました。世間の方々が「凶事に友を引く」ということで葬儀などを避ける「友引」はもともとは勝負事をしても引き分けになる日という意味で、私の知っている浄土真宗(真宗大谷派)の僧侶たちにとっては、唯一急な予定が入らない日となっています。そのため、個人的な予定を入れやすい貴重な日なのです。予定を合わせるために、数か月前から決めなければならない僧侶のための勉強会の日や、何らかの会合開催日を「友引」の前夜や、その日に設定することがしばしばあります。

 

ご本人の前ではこんなことをお話することはありませんでしたが、その種を撒く日を、毎月に訪れる何かの記念日にしてはどうかしら?と、その方と別れた後に、一人で思いました。浄土真宗では、古くから「月命日」を大切にしてきました。ご参考までに、いわゆる「命日」と同じ月に当たる「月・日」のことを「祥月命日」と呼びます。また、祥月でなく、各月の、亡くなった日にあたる日を「月命日」と呼んでいます。僧侶が各門徒の月命日に当たる日にその門徒の家を訪ね、仏壇の前でご家族とお参りし、仏教の話をする「月忌(がっき)参り」は、今でも各地の浄土真宗のお寺で行われています。こうして、毎月、亡くなった方をご縁とし、教えに触れるということを大切にしてきた伝統があるのです。

 

吉凶禍福を意識する六曜ではなく、亡くなった誰かの月命日、あるいは、何かの記念日、夫婦の記念日、誰かのお誕生日、そんな「月記(がっき)」(額田造語:月の中にある記念日)に種を蒔いたとしたら、蒔いた種が、成長し、花を咲かせていく過程の中で、物語が広がることはないかしら?と勝手な想像を膨らませました。

 

久しぶりの再会も、あっという間でしたが、改めて、九段下の靖国神社、武道館のあたり、そのお堀は散歩コースにはいいところだなあと感じました。桜の頃は、特にお勧めです。
(龍善寺の境内のしだれ桜もきれいだからね!と住職より一言!)
龍善寺 早稲田納骨堂にお参りの際には、ちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?地下鉄早稲田駅から西船橋方面の電車に乗って三つ目の駅、九段下駅界隈のお散歩をご紹介させていただきました。靖国に興味を示さなかった知人も、短い時間の東京見物を思いのほか、喜んでくれたようです。

 

11月も半ば。いよいよ寒さも本番です。そのような中、お気をつけて浄土真宗(真宗大谷派 本山京都東本願寺)龍善寺 早稲田納骨堂へもお参りください。インフルエンザなどが流行する時期です。大流行の年にならなければいいと願う今日この頃。ご自愛くださいますよう、スタッフ一同、念じております。

 

釋尼至薫(20181115)

副住職 額田薫

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