ブログ|早稲田墓陵

魂の故郷(いのちのふるさと)から一言

住職、副住職をはじめ龍善寺のスタッフが、日々の歩みの中で気づいたこと、
感じたことを綴ってまいります。一月1回の更新予定です。
これもご縁と、ちょっと息抜きにでも、お立ち寄りいただければ有難いことと思います。

今、ここ   浄土真宗(真宗大谷派)龍善寺(本山 京都・東本願寺)早稲田納骨堂発

2月もはや半ば。妙に温かい日があったり、粉雪が舞ったり。体温調整が難しい冬となりました。浄土真宗(真宗大谷派)龍善寺(本山 京都・東本願寺)早稲田納骨堂は地下にあり、お参りの方々に飾られた花々で季節を感じながらお参りの方々をお待ちしております。龍善寺・早稲田納骨堂は外の天候に左右されることがなく、いつでもゆっくりお参りしていただける環境が整っています。

 

先日、前の職場の同僚、と言っても息子と言ってもおかしくないような友人のお宅に招かれ、食事を御馳走になりました。結婚した奥さんと付き合い始めた頃からを一部始終見てきた夫婦ですが、彼らのお宅に伺ったのは初めてでした。しばらく会わない内に3人の子どもの親になり、月日の流れの速さを改めて思いました。

 

社宅の集合住宅に住む家族。玄関に入り、リビングルームに進むとその雰囲気といい、春から小学生、幼稚園年中さん、2歳の末っ子という小さな子ども達3人が住む家の様子は何故か、遠い昔の懐かしい自分の家のような錯覚さえ持ちました。数年前に会った小さな子ども達は私の事など覚えているはずもなく、目を見開き「どこのおばちゃん?」と言いたげで興味深そうにみつめ集まってきました。お父さんのお友だちは「男の人」だとも思っていたことも、よけいに彼らを困惑させたようです。お近づきの儀式は風船遊び、スケッチブックを見せてくれたり、だんだんに近づいてくれ、お母さん手作りのご飯を一緒にいただき、その日の夜はほんのりとした気持ちで帰宅の途に着きました。

 

友人の結婚式でスピーチを頼まれると、よく私は替え歌を作り、友人のエピソードを紹介します。この友人の時は『バラが咲いた』を歌い、彼らの出会いの頃を表現しました。

 

「バぁラが咲いた、バぁラが咲いた、真っ赤なバぁラがぁ。さぁびしかったIちゃんの心にバぁラが咲いたぁ。たった一つ咲いたバぁラ、小さな花ぁでぇ、さぁびしかったIちゃんの心が明るくなぁったぁ。」

 

たった1つのバラが今では小さな枝を伸ばし、3つ、いえそれ以上の明るさで彼を取り囲んで居るようです。もちろん、当の本人たちは今はそんな呑気な心持ちではないでしょう。そしてこれからも何度となく訪れる波を超えていかなければならないに違いありません。「おばあちゃん!」と呼びかけられることを心配しての訪問でしたが、それは免れました。歳を重ね、こんな当たり前のような光景が温かく感じられたこの日の夜。駅から我が家までの間の冷たい風もほっこりと温まった顔に心地よく感じられました。

 

その翌日、突然の競泳・池江選手の白血病のニュースにはほんとうに心が痛みました。そんななかでも、私たちには計り知れない苦悩の中にありながら18歳にして現実を受け止め、今を生きようとメッセージを送る彼女に心を打たれます。だからこそ、私達も今あるいのちを大切に生きよと願われていることに思いを及ばさずにはいられません。

 

私の人生も時計で言えば、残すところ長くて後20分。もしかしたら、突然に止まってしまう時計なのかもしれません。お裾分け頂いた小さな幸せ。頂いた縁を大切にし、今、ここを生きている思いをいくつも重ねながら味わっていく人生でありたいと思いました。

 

浄土真宗(真宗大谷派)龍善寺(本山 京都・東本願寺)早稲田納骨堂のブースはお彼岸、お盆等特別の期間を除いては個室になっています。与えられたいのちを精いっぱい生きてきた故人を思い、命の大切さを改めて思う大切な時間となりますことを願いながら、今日も皆様のご来寺をお待ちしております。合掌

 

2019年2月15日 額田 薫

副住職 額田薫

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